小さいながらもしおりを作ることができたKJSの子ども達。
一言で「布を作った」といっても、それまでには様々な苦労がありました。
みんな「布を作るって大変だな。」と痛感しました。
だからこそ、むくむくと疑問がわいてきます。
『僕らが着ている服の布は、こんな感じじゃないぞ?』
『他のところでは、どうやって布を作っているんだ?』
そんな子ども達の様子を知り、
それならばと協力を申し出てくださったのは、我らが運営委員長!
お付き合いのあるデニム工場を見学できるようアレンジしてくださいました。
やったー!
工場へ行く前、運営委員長F氏から繊維や布についてのお話を聞きます。
繊維には天然繊維や合成繊維があること、
布にはいろいろな種類があることなどを、
写真や実物を使ってとってもわかりやすく説明してくださいました。
なるほど、みんなで縦糸を持ち、横糸を上、下と通していくと布が姿を現しました。
デニムは「綾織り」という織り方で織られている布だということも教えていただき、
いざ、出発!
ついたところは、工場地帯にある大きな工場です。
そこに、ありました!原綿の山です!
大きな部屋の天井に届くのではないかというほど、綿が積まれています。
この綿は、全てパキスタン国内のパンジャブやシンドから来ているそうです。
さすが綿花の生産量世界第4位ですね。
また、工場の人曰く、パキスタンの綿は質がいいそうですよ。
この綿は、大きな機械で工場の2階へと吸い上げられます。
そこで、ゴミや汚れを落として、きれいな綿になっていきます。
多少の種が残っていても、その大きな機械でより分けられるそうです。
あんなに大変だった綿繰りが、あっという間に・・・
その後、綿の繊維の向きをそろえてふわふわにする機械の中を通ると
太めの綿のロープのようなものができます。
わざわざ機械を開けて、中を見せてくださいました。
綿はいつまでも頬ずりしていたくなるほど、ホントにふわっふわ!
この後、綿のロープは何本も合わせてよりをかけ、だんだんと糸になっていきます。
次の階へ移動すると、そこでは大量の糸巻き棒にすごい勢いで糸が巻き取られています。
速すぎて、一体何が起こっているのか近くで見ても分かりません。
これまた圧倒されながら、別の棟へ移動します。
こちらの棟では、紡いだ糸を使って布を作る工程へ入るのです。
まず、縦糸を巻き取っていくのですが、その数がなんと数千本!
その縦糸が、ゆっくりインディゴの中に入って出てきます。
真っ白だった糸が、あっという間に濃い藍色に染まっていきます。
染められた糸は、天井高くまで上がっていき、また戻ってきます。
そうして染めては乾かし、洗っては染め・・・を繰り返すのだそうです。
縦糸が染まれば、いよいよ織布です。
あらかじめ説明は受けていましたが、布を織るときの音といったら!
他の人の話が全く聞こえません。
機械が、これまたものすごい勢いで布を織っています。
「ああっ!」布を織っている工場内で、炎が見えます!
「火事?!」いえ、違います。布の端の始末をするために燃やすんだそうです。
いろいろとユニークな機械がたくさんあります。
出来上がった布は、こうして形を整え、洗い、乾かされます。
そして、何人もの人達によって厳しく品質をチェックされ、
合格したものは、晴れて出荷となります。
きれいにビニールで包装された大きな布が、滑り台を滑って階下に降ろされます。
待ち構えているトラックに積まれ、無事出荷されていきます。
見学後は、質問タイム。
聞きたかったことがたくさん聞けて、大満足。
ここでできたデニムは世界品質で、世界の各地へ輸出されているそうです。
また、一番困るのは停電だと教えてくださいました。たくさんの機械を動かすためには、電気がたくさん必要ですね。
停電したら一大事なので、ガスの自家発電システムを備えておられるそうです。
とっても勉強になった、工場見学。
私達があんなに大変だったことも、
工場では機械がいとも簡単にやっていて、とても驚きましたまた、その機械の多くが日本製と分かり、
日本の技術力のすごさに、ちょっと得意な気持ちにもなりました。
手作業とは全く違うように見えて、
綿繰りから織布まで、実は全く同じことをしているというのもよく分かりました。
はぁ~、綿花って本当におもしろいですね!
今回も、いろいろな人の支えがあり、私達の活動や学びがありました。
関わってくださった全ての皆さまに、感謝します。
本当にありがとうございました。













