2016年5月27日金曜日

カラチタイムマンゴー狩り体験


年度当初の計画では6月に予定していたマンゴー狩り体験。5月中旬に下見をしたところ、農園では既に大きな果実があちこちに。とても6月では間に合わないということが判明し、慌てて計画を再検討、スケジュールを編成し直しての5月26日のマンゴー狩り体験でした。
 
カラチ市東部、Kachi Gothは市域から離れたマリール川のほとり。人家から畑へと車窓からの景色が変わって十数分後、細いあぜ道の先でバスが止まります。農園ではたくさんの子どもたちの姿が。みんなであいさつをして、マンゴー狩りの手伝いをしてもらいました。
 
農園は一見してどこからどこまでが畑なのか分からない広さ。木が整然と並んでいるわけでもなく、畑と言うよりは雑木林のような雰囲気です。 木立の中を少し歩くと・・・大人のこぶし大、緑色のマンゴーが、たくさんぶら下がっていました。子どもが懸命に手を伸ばしてもなかなか届かない高さ。
 
鉤のついた収穫用の竹竿をマンゴーの実がなっている枝に引っかけて、大胆に落としていきます。ボトボトと音を立てて地面に落ちるマンゴーと、拾い集める子どもたち。
 
高いところにしか実が残っていないのは、低い高さの実はすでに農園の方の手によって収穫済みだからとのことでした。強い日差しと砂ぼこりで、なかなかの重労働です。軍手の下に汗が流れます。
 
小一時間程度マンゴーを収穫し、いよいよお待ちかねの試食タイム。農園の方が数日前に収穫し、食べ頃になったものをグループごとにいただきます。木箱を開けると、収穫した青いマンゴーとは似ても似つかぬ、鮮やかな山吹色が目に飛び込んできました。
 
出荷量の少ない「幻の」マリールマンゴーは、繊維質で酸味が強く、爽やかな味でした。みんなで美味しくいただきました。
 
食後は用水用井戸と、渇水しているマリール川の見学。農園の子どもたちと一緒に、農園の外れの井戸と川岸まで歩きます。深い深い掘り抜き井戸を見て、日本ではなかなかない川幅の広さを見て、感嘆のため息が漏れました。
 
集合写真を撮ったらいよいよお別れです。「クダーハーフィズ(さよなら)。」みなさんにお別れをしてバスに乗り込み、農場を離れました。日本では味わえない、贅沢な体験の一日でした。

2016年5月23日月曜日

美味しいカラチタイム

パキスタンは小麦粉の文化圏です。道を行けば至る所にナン、チャパティ、パン、揚げ物などの店舗や屋台を見かけます。1学期のカラチタイムはパキスタンの食文化体験がテーマ。今単元ではナン、チャパティ、カレーを作っています。
材料を量るところから緊張を強いられます。目盛りをよく見て、材料を正確に量ってボールに入れていく小学生。真っ白な小麦粉に水を入れ、一人分の材料を作っていきます。
体重をかけながら粉をこねると、額に汗が浮いてきます。最初はぱらぱらだった粉が、一つの塊になってきました。小麦粉に小さな虫が見えるのはご愛敬。指でつまんで取りながら丸めていきます。
中学部も同じく粉をこね、麺棒でのばして焼く作業に取りかかります。縁がない平たいフライパンを使うのは、生地をフライパンに手で押しつけて空気を抜く作業がしやすいためでしょう。暑くて暑くて汗が滴ります。
2回目の活動では、カレーも作ります。1回目はチャパティだけ焼いて食べた後、パキスタンのマサラと素材を使って、それでいて日本人の口に合うカレーというテーマで話し合いをしました。材料は生クリーム、トマト、ジャガイモに決定。やっぱり汗だくになりながら、みんなでチャパティを焼き、カレーを作りました。
ほどなくカレーが完成。試食します。しっかり香辛料の味が残りつつ、生クリームでまろやかに、コンソメでだしの味がある、パキスタンと日本のハイブリッドカレーと呼ぶにふさわしい出来上がりになりました。
小学部は試食会、反省会の後、さらにナンの高みを目指して準備中です。自分たちの創意が生き、しかも美味しいとなれば最高ですが、はたしてどうなるか。いずれにせよ有意義な食文化体験が出来そうです。

2016年5月14日土曜日

夏の始まり


カラチはいよいよ夏。商店の店先に少しずつマンゴーが並ぶようになってきました。日の当たる場所で少し活動するとほどなく汗が噴き出してきます。暑いカラチですが、子どもたちは元気に朝昼帰りと、校庭で元気いっぱい運動しています。
12日は全校集会。3人の先生から、それぞれの経験や専門分野に関するお話を聞きました。校長先生はカラチに住む虫の話。斎藤先生からは言葉による表現の話。中島先生からは、ウナギの話。みんな興味深く聞き入っていました。
13日金曜日には企画委員会主催の全校ドッジボール大会が開かれました。中学部対小学部の因縁の対決は、中学部が初の勝利を収めます。続いての先生チーム対子どもチームでは、素早いパス回しを繰り出す先生チームの圧勝かと思われましたが、粘った子どもチームが僅差で勝利。みんなで楽しみました。

2016年5月4日水曜日

PAF(パキスタンエアフォース)ミュージアムへの遠足

5月。カラチは日差しが日に日にその強さを増しているのを感じます。日本ではゴールデンウィークの最中の4日、カラチ日本人学校ではPAFミュージアムへの遠足が行われました。おやつは100Rsまで。お小遣いは200Rsまで。朝からみんな遠足の朝らしいハイテンションです。
PAFミュージアムへはバスで15分程度。程なく着いて、バスを降ります。ゲートをくぐると、カラフルな戦闘機が並び、奥には観覧車などの遊具も見えます。はやる気持ちを抑えて、まずはみんなで集合写真。広場で「はい、カラチー!」はいつものかけ声です。
最初はKJSオリエンテーリングです。縦割りグループに分かれて、園内に分かれたチェックポイントを探し回ります。チェックポイントはKJSの先生方。園内は現地の児童生徒も来ていて、しかも広い。その上先生方はそれぞれミッションをクリアしないと、チェックポイント通過の印をくれません。なかなか難しいゲームでしたが、上級生が下級生の水筒を持ってあげたり、手をつないであげたり、力を合わせてみんなでクリアを目指す姿が見られました。
次はレクリエーション。ドロケイとフリスビーです。なにしろ広い園内。泥棒を追いかける警察官も大変でした。みんなで走り回って大汗をかいて、時刻はお昼です。移動してベンチでお弁当を食べました。続いてのお菓子タイムではみんなでそれぞれのお菓子を交換し合いました。
食事の後はいよいよ乗り物タイム。前後に大きく揺れるバイキング、車がスピードを出して走るゴーカートなど、日本でも見たことのある乗り物も見えます。お小遣いを使って遊具の券を買い、いざ遊具に乗ります。
「乗ったことある遊具だから大丈夫だろう」などと高をくくっていたら、PAF係員の皆さんサービス精神旺盛で、いつまでたっても乗り物のスピードが落ちません。動き出したときの笑顔が次第に消え、「もう止まるかな?」が「なかなか止まらないな・・・」そして「いつ止まるんだ・・・ォェ」へと変わります。最終的に手で×印を作って必死の形相で「Stop,Stop!」と叫ばないと乗り物はいつまでも止まらないのでした。
楽しい時間はあっという間。バスに乗って帰り、学校で帰りの会をして解散しました。小学1年生から中学3年生までが力を合わせてゲームをし、一緒に楽しんだ一日。KJSのみんなの絆が強まった一日となりました。


カラチタイム買い物体験

25日カラチタイムは、全校での買い物体験でした。前時のカラチタイムの活動で、学年ごとに言葉の勉強をし終えています。どんなあいさつをすればいいのか?どんなふうに言葉を話すと、目指す美味しい物が買えるのか?「店で一番人気のあるパンはどれですか」「あなたのおすすめのお菓子を教えて下さい」と、英語でどのように表現するのか?それぞれの課題意識を持って、準備をしました。
何人かの児童生徒と教員は、文化体験・文化理解のため、衣服も現地の皆さんに合わせてシャロワールカミーズに着替えます。目的地は学校すぐそば、ヒルパークマーケットの「Ideal Bakery」とその裏の商店。バスに乗りこみいざ、買い物へ。
「Ideal Bakery」はローカルに人気の食品店です。いつもお客さんで賑わっているお店。今日もたくさんのお客さんと店員さんがいました。ショーケースを興味深く見つめる1年生。いろいろなお菓子やパン、揚げ物などはどれもおいしそう!
3,4年生は担任と一緒に店員さんに話しかけます。まずはウルドゥー語であいさつ。なんとか通じたよう。意思の疎通が出来た喜びを実感する子どもたち。言葉を話すことが本来持っている楽しさを味わいます。
中学生はより高度な問題解決学習に挑みます。話したい事柄を習った英語で台本にし、店員さんと実地での英会話です。「Which one is your best in this case?」など。英語の授業で学んだ英語は、こんなふうに役に立つんだと実感する瞬間です。
次は食品や日用品、スパイスなどを売る商店での活動です。5,6年生は品物を見て選びながら、日本との比較を行います。店員さんも親切で、子どもたちと話すのを楽しんでくれているようでした。
買い物が済んだらバスへ移動。学校へ戻ります。みんな買い物はバッチリ!最後はみんなで集合写真を撮って、各学級でのまとめの活動に移りました。
今年もカラチタイムでは、カラチならではの様々な体験を通して、課題設定の力、課題解決の力などを育てて行きます。そしてカラチをもっと身近に感じられるような学習体験の機会を準備していきたいと考えています。集合写真を撮り終えたら、学習を手伝ってくれた全ての学校スタッフへみんなで「シュ クリア(ありがとう)」。カラチでの学びを支えてくれるカラチの全ての皆さんに感謝しながら、今年もカラチタイムを進めていきます。