2015年5月27日水曜日

リキシャとドンキーでカラチを走る


 26日のカラチタイムは、前回に引き続き「リキシャ・ドンキーに乗ろう」でした。前回考えた疑問点をその道の専門家に質問し問題解決を目指すとともに、実際にリキシャとドンキーに乗って体験的に学ぶ2時間となりました。ホールで前回の質問をそれぞれチェックしたら、ドンキーが牽く1台の馬車と御者さん、3台のリキシャとドライバーさんをお迎えします。挨拶をして、早速いろいろ質問してみました。「どれくらい荷物を乗せて走れますか」という質問には、「1500キロくらいだけど、2000キロくらい乗せたこともある」との答えが返ってきました。小柄なドンキーですが、予想以上にパワフルなようです。「スピードはどのくらい出ますか」と質問すると、「だいたい時速50キロくらいです」という答えで、「思ったよりも速いね」「車と一緒に道路を走っているだけあるよね」という児童の感想が聞こえてきました。もう一つ驚かされたのは御者さんが14歳の若さだったということ。しっかりドンキーを御して、受け答えをしてくれました。
 リキシャドライバーさんたちにもいろいろ質問してみました。「何人乗れますか」という質問には「6人まで乗れます」という返事。「思ったよりも乗れるね」といった印象を受けた子どもたちが多かったようです。カラチの町中では、確かにそのくらい人を満載したリキシャも目にします。「燃料はなんですか」という質問には、「CNG(compressed natural gas、「圧縮天然ガス」だそうです)と、ガソリンです」という答えでした。ガソリンだけではなく、天然ガスでも走ることができるという答えは子どもたちとって予想外だったようでした。
 その後は実際に乗車したり、運転席に座ったり、スピードメーターやフレームなどをじっくり観察しました。「スピードメーターは130キロまであるね。」「先生、走るときはここにつかまるんだよ。」など、普段なかなか目にすることのできないリキシャの細部を見て、思い思いに感想を口にする子どもたち。そしていよいよ乗車です。学校近くのヒルパークまで約1.5キロの道のりです。普段窓を閉めエアコンを付けた車に乗っている子どもたちにとっては特に開放感のあるドライブでした。車体の両脇は扉がないためスピードが出るとちょっと怖いのか、フレームを握る手に力がこもりました。
 ヒルパークではドンキーの荷台に乗りました。子どもが6人と大人が乗っても、ドンキーは元気に車を引っ張ります。思ったより速く、最初歩いてついていった引率の教員も、途中から早歩きになり、ほどなく無言でドンキーの後を追いかけて走るようになりました。乗っている子どもたちはドンキーのスピードを楽しみました。足を荷台からぶらんと下ろすと、風が気持ちよく吹き抜けていきます。「ちょっとこわかったけど楽しかった」「風が気持ちよかった」という児童の感想でした。ヒルパークの展望台からカラチの市街が一望できます。見渡す限り建物が連なる景色。足下にはクリケット場で試合をしている様子が見えました。カラチ日本人学校の校庭も見え、みんなで手を振るとガードさんたちが手を振り返してくれました。
 学校にリキシャで帰り、再び整列です。「アープカボ
ホットボホットシュークリア(ありがとうございました)」とお礼を言い、お別れしました。そして教室でにぎやかに今日の活動についてみんなで話をしながら感想をまとめました。カラチ市内の至る所で目にするリキシャとドンキーですが、普通に生活する中で日本人が乗ることはなかなか難しいのがカラチの現状です。次に乗れるのはいつでしょうか。ただ今日の学習が、何気なく見送っていたリキシャとドンキーをより身近なものにしてくれたことは確かです。さらにカラチの文化をカラチの人から体験的に学ぶことを通して、異文化理解や異文化交流へつながる知見や態度を養っていきたいと考えております。
 
 25日業間体育からは跳び箱の授業が始まりました。第一回目は先生の模範演技を見て、できる技の確認をしました。これからどのくらい上達していくのかな?35度を超す気温の中、終わる頃には暑くて汗だくになりながらも、意欲十分、気合十分のカラチ日本人学校のみんなです。


 

2015年5月20日水曜日

サトウキビ発芽中

 19日火曜日のカラチタイムは「リキシャ・ドンキーに乗ろう」の第1回目。リキシャはタクシーとして使われているいわゆるオート三輪、ドンキーは乗用および貨物運搬に用いられているろばのことです。どちらも交通事情が日本に比べて良くないパキスタンの道路を走っています。次回の体験学習に向けて、リキシャやドンキーについての基礎知識を学び、日頃目にするそれらについての疑問点を出していきました。「どのくらいの人が乗れるのか」「値段はおいくらくらい」など、確かに聞いてみたいと思える質問が準備できました。次回のカラチタイムでお招きする運転手さんおよび飼い主さんに、実際に聞いてみます。
 カラチ日本人学校では、タイトルの通りサトウキビが発芽しました。後半はサトウキビの世話と綿花の種まき。水をやり、除草をしながらよくよく見てみると、雑草の子葉に混じって5~6本のかわいらしい芽が出ていました。単子葉類でイネ科のサトウキビはいわゆるふたばが出ず、細くとがった芽でした。じっくり観察し、ひとしきり感想を述べ合って、ほかにもでていないかみんなで探しました。その後校庭のまた別の場所に綿花の種を植えました。校庭にはサトウキビと綿花だけではなく、ゴーヤ、朝顔、ひまわり、キュウリなども植えられています。果たしてどの植物がよく生長するのか?花は咲くのか?実は付くのか?食べられるのか?どんな結果になるのか、うれしい収穫の日を夢見ながら、引き続き大切に育てて行きます。

 18日の業間体育はマット運動の最終回でした。それぞれのレベルに合わせて個別練習がじっくりできることおよび教員の目がきちんと行き届き、効果の高い個別指導を行えるのが、人数の少ないカラチ日本人学校の良さです。発表は二つか三つの技を続けて行う形で一人ずつ行います。一人一人が一生懸命練習した成果か、マット運動の初回に比べて技の精度がみんな明らかに向上していました。来週からはまた別の種目が始まります。技能の向上と前向きに取り組む姿勢の涵養を目標に、引き続き取り組んでいきます。





2015年5月15日金曜日

今年度初の授業参観日とサトウキビの植え付け

 

11日月曜日は今年度初の授業参観でした。業間体育はマット運動。練習のかいあってみんな上手になりました。練習する一人一人の額には、汗と充実感が光っています。いつも以上に熱中して取り組む子どもたち。やっぱり家族の視線に支えられていつも以上に力が出るようでした。来週18日はいよいよマット運動の最終回。技を組み合わせて発表します。


 続く3時間目はそれぞれの授業でした。といっても児童生徒数の多くないカラチ日本人学校らしく、緊張というよりはアットホームで和やかな1時間だったように思います。授業中の教室内でしたが、保護者と教員と子どもがみんな家族のような暖かいつながりを感じられるのは、保護者のみなさまのご理解とご協力の賜物と、改めて感謝の念を再確認した教員一同でした。それぞれのご家庭では夕食の食卓で、どんな話をされたのでしょうか。ご参加いただきありがとうございました。


 カラチタイムは「サトウキビを育てよう」の第2回目です。まずサトウキビについて改めて勉強しました。2005年パキスタンのサトウキビ生産量は世界第4位。世界に冠たるサトウキビ大国であることに、みんな驚きでした。座学に続いて、事務のシャミームさん、用務員のラジャさん、マリーのルクマンさんを教室にお招きし、サトウキビの植え方について教えていただきます。「アッサラームアレイコム」と元気に挨拶して、サトウキビ座談会がはじまりました。「水はどのくらいあげるんですか」「どのくらいの深さに埋めればいいんですか」などの疑問を、マルチリンガルのシャミームさんが訳してラジャさんとルクマンさんに伝えてくれます。お二人からの答えをシャミームさんが日本語で紹介すると、「そうなんだ」「なるほどー」など、さすがその道の先達という答えに感心しきりでした。

 

 教えてもらった知識を生かし、いよいよ実地です。学校の中庭に作られた畑に、サトウキビを植えました。20センチほどにラジャさんが切ってくれたサトウキビの茎を、10センチほど掘って作った畝に並べていきます。並べたら土をかけて、「こんなに水あげるの?」というくらいたくさん水をあげました。いつ芽が出てくるのか?だれが最初に見つけるのか?しばらくはサトウキビ畑に熱い視線が集まる予感を感じた、暑い暑いお昼時でした。植え終わったら教室に戻って、まとめの活動をしながら余ったサトウキビの試食会を行いました。サトウキビをしゃくしゃくと噛むと、繊維の隙間から甘さがじわっと口の中に広がりました。「黒砂糖だね」「ケーキ作りたい」「紙ができるかな」「ジュースにしてジョッキでぐいっと飲みたい」などいろいろ思い描きながら、サトウキビの味わいとともに二時間の授業が終了しました。


 

2015年5月12日火曜日

カラチの空の鯉のぼり

 カラチ日本人学校は、5月5日のこどもの日を休業日にしています。が、3日の憲法記念日、4日の国民の休日とともに、いずれもパキスタンでは休日ではありません。日本人学校ではいつもと変わらず元気に子どもたちが活動しています。

 5日のこどもの日に合わせて、図工および美術の時間には、鯉のぼり作りを行いました。厚紙と折り紙で作った個性あふれる鯉たち。子どもたちはそれぞれの意図をもって表現に工夫を凝らしました。作成に力が入りすぎて飾り付けが一週間遅れになったのは、日本とパキスタンの時差による誤差の範囲とカラチ日本人学校では結論づけられています。雨がほとんど降らないカラチの青空の下、風に吹かれて元気に泳ぐ鯉のぼり。ご来校の際はぜひご注目ください。

2015年5月6日水曜日

安全訓練の様子です

 カラチ日本人学校では、月一回安全訓練を行っています。治安情勢や衛生状態、インフラの不備などさまざまな不安要素を抱えるここカラチで、日本人学校児童生徒の安全な学校生活を保障するために、さまざまなシチュエーションで実施しています。
 4月13日の始業式直後に行った第一回安全訓練は、学校内での火災を想定した訓練でした。図書室で安全指導を受けた後、昨年度末に設置された非常用らせん階段を使って校庭に避難しました。ハンカチで口をおさえる、おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない、いわゆる「おはしも」の徹底など、的確な行動ができていました。
 5月4日の第二回訓練は、バスで移動中事故に遭った場合を想定した訓練でした。事故で走行不能になったバスからバックアップの二号車に速やかに移動し、安全な場所へ移動するための、バスからバスへの移動の訓練でしたが、こちらもみんなで協力しながら速やかな行動ができました。また今回は、日本領事館との無線通信の練習を一人一人が行いました。日本領事館の安全担当領事に手本を示していただいた後は、全員が無線を持って日本領事館と交信。おっかなびっくりで始まりましたがだんだん慣れて大胆になっていき、最後は余裕をもって話をすることができました。
 日本では近年東日本大震災の経験から、非常事態に備えることの大切さがクローズアップされてきました。いつ何が起こるか分かりません。これからも計画的に、備えるための訓練を行うとともに、備えることの大切さを児童生徒に指導し、危機管理の意識を高めて、安全の確保に努めて参ります。






 

2015年5月4日月曜日

5月に入りました

 毎週木曜日の業間の時間は、全校集会を行っています。4月23日は「1学期の抱負発表」で、新学期の抱負を全員が発表しました。国語の時間を中心に一人一人が今学期の自分の姿を想像し、達成すべき目標を設定して作文を書き、さらに発表の中で相手に伝えるということを考えながら手直しをしてきました。 堂々と発表する様子に、聞いているみんなも感心していました。

 同じく30日の集会は、「校長先生のお話」でした。日本とパキスタンの位置を地球儀で確認するところから始まり、理科の専門家らしく、日本とパキスタンの星の見え方の違いをわかりやすく説明しました。そしてさらに違う場所に行けばそれぞれの場所で星は違う高さにかがやいており、若いうちに冒険心をもってたくさんの場所を訪れ、違う文化に触れる機会をつくってほしいこと、また空を眺める楽しさをこのカラチ日本人学校で味わってほしいという先生の希望で話を終えました。子どもたちは熱心に耳を傾け、あっという間の時間でした。 

 全校集会が一人一人にとって身近で主体的に参加できるものであるところが、人数が少ないカラチ日本人学校のよさであると思います。これからも学校教育における全校集会の位置づけを吟味しつつまた大切にしながら、児童生徒の成長の契機になるよう働きかけていきたいと考えています。


 写真は朝のランニングの様子です。5分間という時間を設定し、ミニハードルや鉄棒などでコースをつくり、サーキットトレーニングの形で運動を行っています。みんな汗をかきながら、頑張って走って体力づくりに取り組んでいます。生活のリズムを整えるためにも、始業前に活動を行うことは意義があることと考えております。まだまだ若ぇもんには負けられん!とばかりに教師も一緒に走るのですが、汗びっしょりになるわ息が切れるわ1時間目の間中、汗が出続けるわで、大変です。子どもの元気に脱帽です。