2015年12月23日水曜日

終業式にて

 22日火曜日がカラチ日本人学校2学期終業式でした。式典らしく姿勢や態度にもいつも以上に気をつけながら、一人ずつ七夕夏祭り、日本人会運動会、研究発表会などの行事の思い出を発表します。そういえばいろいろなことがあったなあと、みんなでみんなの成長の跡を振り返りました。
最後は校歌を元気に歌って終業式を終えました。冬休みの楽しい計画をみんなで話して、しばしのお別れです。久しぶりに日本に帰国する児童もいます。いろいろな経験を積んで一回り成長した姿で2016年の初日を笑顔で迎えられるよう祈りました。どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。

2015年12月19日土曜日

広いグランドで体育を


17日木曜日は、市内のグランドを借りて全校体育を行いました。いつもは校庭で行っているKJSの体育の授業。全校の人数が少ないとはいえ、種目によっては狭さを感じている体育ですが、今日は違います。バスで20分くらい行くと、広大なサッカーグランドが見えてきます。荷物を出して、まずは体操。気持ちも伸び伸びして、手足もいつもより余計に伸びているような気がします。
今日の種目はサッカーです。ボールを使って、パスの練習から。いつもの倍から3倍くらいの距離を蹴ると、ボールはあちこちに行ってしまいますが、とても気持ちいい!
足下でのボールコントロールの練習もして、いよいよ試合です。ウイングに手を使っていいパサーが二人ずつ入って、教員含め5対5の試合です。
最後は整列してあいさつして終了。広いグランドはたまにしか使えませんが、充実した体育の授業になりました。普段は人数相応のこぢんまりした体育。次にグランドを走り回る日に向けて、授業で練習を重ねるKJS秋冬の体育です。

2015年12月12日土曜日

アルカイールスクール学校交流会

2学期もいよいよ終盤です。カラチ日本人学校の児童生徒は、学習面も生活面もまとめの時期を迎えています。12日土曜日はアルカイールスクールから12名の子どもたちをお迎えして、学校交流会を実施しました。まずは玄関でお出迎え。そして開会式です。
最初の活動はグループに分かれての自己紹介と、日本語とウルドゥー語での名札作りです。KJSの子どもたちはウルドゥー語の部分をアルカイールスクールの子どもたちに書いてもらい、代わりにアルカイールの子たちの名前を聞いて、ひらがなやカタカナで書いてあげます。アルカイールの子に「自分のハンカチにも書いて」と言ってもらったら、なんかすごいことをしてあげたような照れくさい気分になります。
次はアルカイールの女の子によるゲーム、「コ」です。「コ」と言ってオニをバトンタッチする鬼ごっこのような遊びを教えてもらって、みんなで遊びました。逃げるのもコツが必要で、少し頭を使うゲームです。男の子同士でやってみても、なかなか逃げるのが難しくて、後日休み時間に練習してみようということになりました。

次は合同ミニ運動会。紅組白組に分かれ、5つの種目で競い合いました。二人三脚や竹で作った竹ポックリを履いてのリレー、綱引きなどです。ウルドゥー語の「がんばれ」は「ジテガ!」。手をたたいて応援して、声を掛け合いながらみんなで競い合いました。勝ったら「ジドガヤ!(勝った!)」と言いながらチームで喜び合います。
4種目終了時点で同点と、白熱した勝負になりました。休憩時間はクリケットをやったり、エーキングというゲームをしたり。休み時間を挟んで最後のドッジボールです。勝負は白組優勢で進みます。紅組の内野がリーダー一人になり、万事休すか!というところで時間切れ。ドッジボールの勝負も最終結果も、白組の勝利に終わりました。白組にはトロフィーが授与されます。
最後はセレモニーを行い、みんなでプレゼントを手渡して、バスを見送りました。短い時間でしたが、競い合いながら楽しく交流できた今回の交流会。今回恥ずかしくてなかなか話ができなかった子も、次は話せるかな?次回の交流会は3学期です。

2015年12月8日火曜日

研究発表会を終えて

12月6日は平成27年度カラチ日本人学校研究発表会でした。本校校庭に前々日からテントを設置し、スクリーンが見えるように日差しを遮った特設会場。舞台に立つと、いつもの練習とは違った雰囲気に、子どもたちの表情に緊張感が漂い始めました。





カラチ市議会選挙に伴い治安の悪化が懸念されたため、一日遅れての開催となった研究発表会。日本人会の皆さんが席に着いて、いよいよ始まります。






「雪」「宝石」「日本のマンガ」「油料理」「バイク」「自衛隊とパキスタン軍」と、それぞれの興味関心に立脚したテーマで、学年の発達段階にふさわしい方法で発表を行いました。マイクを持って、お客さんの前に立つと緊張感は最高潮です。





一人一人が自分の力で、自分の手で作り上げた発表。やりきったという充実感と安堵感が、発表を終えてお辞儀をし、拍手の中笑顔で演台を離れる表情から伝わってきます。緊張したけど、はっきりした声で堂々と最後まで発表することができました。









日本人会の皆様から、発表内容に関する温かい質問も頂戴しました。子どもたちに答えやすいように言葉をチョイスしてくださったため、自分の頭で一生懸命考えて自分の言葉で答えることができました。質問してくださった皆様、本当にありがとうございました。






研究した「しみだいこん」「油を使ったカレーと使わないカレー」の試食コーナーと、宝石の実物を展示したコーナーで、日本人会の大人たちに研究の成果を披露するころには、あちこちから「先生来年の研究テーマが決まりました」という声が聞こえてきました。新たな興味関心の方向性を見出したか、それとも今年のテーマをさらに深めるか。どちらにしても、学習意欲十分の子どもたちに驚かされました。


2学期も間もなく終了です。平成27年度カラチタイムの取り組みの集大成といえる今回の研究発表会。児童生徒にとって大変有意義な会となりました。日本人会の皆様、保護者の皆様の温かいご支援に心から感謝します。


2015年12月1日火曜日

12月に入りました

2015年も最終月。早いものでカラチ日本人学校の2学期も間もなく終了です。カラチ市議会議員選挙の影響で6日に変更になった研究発表会へ向けて、一同研究に余念がありません。いよいよ資料が完成し、発表の練習に入っている子どもたち。研究も佳境です。
今年の研究発表会は、児童生徒の課題設定と解決という点に焦点をおき、児童生徒の手による一人一人の個性を生かした表現活動を目指してきました。表面的には研究が中途だったり、発表資料が美しくまとまっていなくても、子どもたち自身の学びがぎっしりつまった発表になるはずです。どうぞご期待ください。
1日は安全訓練を実施しました。今月はスタンプラリーの形で、学校内外の安全施設について知る活動です。スタンプを集めながら消火器の位置や備蓄品、非常階段などを自分で確認しました。事故なく2015年を締めくくれるよう安全意識を高めた安全訓練でした。
なお、11月21日のカラチ日本人学校50周年記念パーティーへご参加いただいた皆様からの寄付金がカラチへ届きました。寄付していただいた皆様へ、心から感謝の意を表します。ありがとうございました。校舎内外の施設・設備の改修等に充てさせていただく予定です。

2015年11月23日月曜日

一同鋭意研究中


日本でのカラチ日本人学校50周年記念祝賀会が盛会のうちに終了しました。ご列席いただいた皆様および関わってくださった関係各位にこの場を借りて心より感謝申し上げます。一方カラチでは、12月5日の研究発表会へ向けて、個人研究から資料作りに入っております。
それぞれの興味関心に基づき、「雪について」「パキスタン料理の油」「日本とパキスタンの軍事力」など、テーマを決定した一同。いろいろな方法で研究を進めてきました。書店に出かけて市場調査を行ったり、パキスタンの人と交流する中で考えを深めたり。研究が進んでいく中で、今まで知らなかったことがいろいろ明らかになっていきます。
自分の力で課題を設定し、自分の力で問題を解決していく面白さを感じている児童生徒たち。発表はそれぞれの発達段階に合わせて大判の模造紙、レポート、プレゼンテーションソフトによる資料提示など形式を異にして行う予定です。発表会に向けて一生懸命な姿が頼もしい、カラチ日本人学校の秋です。

2015年11月18日水曜日

震災に学ぶ

18日水曜日の業間読書では、東日本大震災での被災の経験をテーマにした絵本「ふろしきづつみ」の読み聞かせ会を行いました。震災で被害を受けた岩手県大船渡市生まれの教員による、自らの経験を交えての話は説得力があって、子どもたちの視線も心も引きつけられていきます。
「ふろしきづつみ」が実際にあった話と聞いて驚き、本に登場する高田病院の4階の高さまで津波が到達していたことを聞いてまた驚き、津波が押し寄せてくる写真をみてさらに驚き、7万本の松が流されてしまったがたった一本残ったということや、自衛隊を初めとする国内と諸外国の献身的な支援と助け合いの精神に感心した一同。日本からはるか遠く、カラチで東日本大震災について学んだ一同でした。

2015年11月16日月曜日

カラチ日本人会運動会

15日日曜日に運動会が終了しました。学校だけの運動会ではなく、例年カラチ日本人会と学校による共催の形をとって実施しています。停電で全ての音響機器が使えなくなるカラチならではのハプニングもありましたが、さながら大人が参加する地域の運動会のような、和気あいあいとした温かい雰囲気で終始行うことができました。皆様のご協力に心から感謝しております。
前日土曜日は会場でのリハーサル。実際の服装でダンスの練習です。衣装を身にまとうと、周囲から「かっこいいね!」「石油王みたい。」「砂漠のお姫様だね。」などの感想が聞こえてきます。恥ずかしいけど、ちょっとうれしい一同。本番も上手くいきそうです。
いよいよ運動会当日。競技やダンスに加え、大人をリードしての応援、選手宣誓など、応援団長の上級生には他の児童生徒より緊張を強いられる場面が多いせいか、口数少なく表情も硬いのが明らかです。
開会式、選手宣誓、応援が終わって競技に入ると、緊張もほぐれた様子で、みんなそれぞれの競技に全力で取り組みました。八の字の縄跳び、4人一組でつかんだ棒をリレーする「台風の目」、障害物競走の「何でもスタジアム」が終わっても紅組白組の得点差はありません。白熱の前半戦です。
休憩を挟んでいよいよ練習に練習を重ねてきたパキスタンダンス。音楽に合わせて会場からは大きな手拍子が。アシフ先生も見守る中、最後まで堂々と踊りきりました。練習の成果がバッチリ出て、退場する児童生徒も笑顔、笑顔です。
玉入れ、リレー、綱引きという後半戦。玉入れもリレーも白が勝ち、ここに来て若干白が優勢に。綱引きが最後の勝負です。どちらも譲らず一勝一敗で迎えた第3回戦。紅組がぐぐぐっと自陣に引き込みこのまま勝利かと思いきや、白が驚異の粘りを発揮し、そこから盛り返して一気に引いて白の勝利に終わりました。
いよいよ閉会式。白組が優勝盾と団結賞トロフィーを受け取ります。運動会が終わってみんなの表情がたくましくなって見えるのは、日焼けのせいでしょうか。疲れた表情の中にも充実感が見えます。
最後はみんなで記念撮影。大変楽しく教育的にも意義深い運動会ができたのは、企画、準備、運営に携わった皆様と、当日全力で取り組み、雰囲気を大いに盛り上げてくださった日本人会の皆様のおかげです。ここに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。次の行事は研究発表会。児童生徒のどんな学びが見られるか楽しみです。

2015年11月10日火曜日

パキスタンダンスほぼ完成

日本人会運動会へ向けて、カラチ日本人学校ではそれぞれの練習がいよいよ大詰めを迎えております。綱引き、玉入れ、長縄跳びなどいろいろな種目に出る児童生徒たち。体育の時間に楽しみながら練習に励んでいます。
中でもパキスタンダンスは、一番練習に時間をかけてきました。アシフ先生のご指導にもいよいよ熱が入ります。今回の後半は校庭での練習。狭い部屋と違い、自分の立ち位置や全員でのポジションの調整がとても難しく、一筋縄ではいきません。
先週から、朝のランニングの時間もパキスタンダンスの練習に変わり、どんどん完成度が高まってきています。全員で踊るパートはきれいにポジションが決まるのか?個々人で踊るパートは、それぞれ動きをきちんと覚えて踊れるのか?来週の運動会に向けて、いよいよ仕上げの段階に入る日本人学校です。
なおカラチタイムでは、研究発表会へ向けての取り組みが進んでいます。一人一人が自らの興味関心に基づくテーマでどのように探究活動を進めるか、決めたテーマに従って、いよいよそれぞれの方法で追究していくことになります。

2015年11月2日月曜日

11月です

カラチで生活していると、特に弱くなるのが漢字の力です。漢字そのものを目にする機会が激減するため、児童生徒も読めるが書けずという状況がしばしば起こっていました。そこで本校では今年度から日本漢字能力検定試験を全校生徒で受験することにし、10月31日に平成27年度本校第一回目の試験を実施しました。教員や保護者も交えて、真剣な表情の試験中でした。
試験までの1ヶ月は児童生徒は合格を目指して自主的に学習プリントに取り組んで、漢字の書き・読みの能力を高めつつ、自ら学習する姿勢を向上させました。自主学習プリント一枚につきシール一枚の、「漢字検定合格の木」もだいぶ長くなりました。結果は約40日後に日本から送られてきます。
次回試験は1月末の土曜日、申し込み受付は12月中旬締め切りの予定です。一般の方の申し込みも本校で受け付けております。10級から2級まで本校を会場に受験が可能ですので、興味がおありのカラチ在住の皆様はぜひ声をおかけください。要項や検定問題をご覧いただくことも可能です。

2015年10月29日木曜日

子ガメの旅立ち

10月26日。いよいよ待ちに待ったウミガメ産卵の見学当日です。午前中4時間授業でいったん児童生徒は下校しました。当日はアフガニスタン北部を震源とする地震が発生し、建物が倒壊したり、アフガニスタンやパキスタンの人々が被害に遭われたりというニュースが報じられました。はたしてウミガメは産卵にやってくるのか。学校からバスで現地へ向かいます。
夜19時。集合してスクールバスでウミガメ産卵場所のすぐ近くに所在するWWF事務所に向かいます。高い建築物が少なくなり、明かりが減り、海の近くの雰囲気が強くなるにつれて、みんなの気分もますます盛り上がります。
WWF事務所ではマネージャーのアリさんがウミガメの生態などについて説明してくださいました。「活動の中で大変なことはなんですか?」との児童の質問に対する答え、「人々に活動について周知してもらい、納得してもらうことが難しい。ゴミを捨てないでと言っても捨てる。人を動かすということが大変です。」に「なるほどー。」と納得する一同でした。
ウミガメについての紹介VTRも見せていただきました。カラスや野良犬が小さい子ガメをつついて食べてしまう様子に、みんな言葉をなくしてしまいました。えさだと思ってビニール袋を食べてしまったカメが死んでしまうということは事前に学びましたが、それ以外にもいろんな危険があり、カメが無事に生きていくのは難しいと知ります。
観察の注意事項を聞き夜10時半、いよいよ砂浜へ。月の光の下、波の音だけが聞こえてきます。「こんなに遠くまで見渡せる広い場所に来たのはカラチではじめてかも。気分がいいですね。」という生徒の声も納得の、貴重な経験です。
ほどなく幅40センチメートルほどの、海から陸へ何かを引きずったような跡、そしてその先に直径1.5メートル、深さ30センチほどの穴が。もしかして?聞いてみるとやはり、これはウミガメの産卵の跡だそうです。
「こっちへ来てみて。」というアリさんの言葉。視線の先では、手のひらにのる大きさの小さい子ガメが、平らな足を上下にパタパタと動かしていました。言葉にならない驚きの声が漏れます。親指と人差し指でおそるおそるつまむ児童生徒たち。ふ化直後のカメということでした。本当に小さくて、ほとんど重さを感じませんでした。
さあ、子ガメの旅立ちです。海に近いところで、放流します。砂の上に置くと、満月の光しかない暗がりでも、波が打ち寄せる方向へ元気よく歩いて行きます。その後ろ姿が波に覆われ、波が引くと、もうその小さな姿は見えなくなっていました。
産卵は見られませんでしたが、ふ化直後の子ガメに触れるという貴重な体験ができた今回のカラチタイム。カラチの自然に触れ、いろいろな思いが児童生徒の胸に去来します。自然を大切にし、小さな命を大切にし、ますます学びを深めていきたいと思った夜でした。