まずは歴史や周辺知識の学習です。楽器で有名なヤマハとバイクで有名なヤマハの違い、ヤマハの歴史、ヤマハモーターパキスタン(YMPK)工場の概要などを説明していただきます。工場の敷地はなんと東京ドーム4個分だそう。世界の国の中でパキスタンはバイクの売り上げ台数第7位ということも教えていただきました。
工場の休み時間をはさんでいよいよ工場内へ。人が入れそうな大きな段ボール、ボルトなどが入った大きなプラスチックの箱、太い鉄のパイプが組み合わさった部品など、どれを見ても興味津々の子どもたち。塗装、溶接など、工程ごとにそれぞれの担当の方が資料を示しながらていねいに説明してくださいました。なるほど!
さらに工場内を進んでいくと、「体験コーナー」の看板が。子どもたちのために、実際に工場で働く作業者のみなさんが速度や正確性の鍛錬のために行っている練習を、子どもたちができるように準備してくださっていたのでした。写真は、長さ10センチほどの鉄の棒を、20個の穴が開いている木枠に、向きをそろえて立てていく練習器具です。結果、子どもたちが必死に両手でやるよりも、ヤマハの方が片手でやったほうが1秒以上早かったのでした。
工場内の見学の後は、再び会議室へ。今度はエンジンの仕組みについて、教えていただきました。ハンドルをぐるぐる回すと、中のたくさんの歯車とピストンが動きます。映像でも見せていただきました。ガソリンと空気が混ざってシリンダーの中で爆発する様子に、「おお」と驚きの声が漏れ聞こえてきました。
最後は質問コーナーです。「ラインで働いている人がトイレに行きたくなったらどうするんですか」という質問には、「ラインの横に渡してあるケーブルを引っ張ると自分のブースのランプがついて、そこにリーダーが来て、リーダーと交代します」という答えが。「パキスタンで仕事をしてうれしかったことはなんですか」という質問には、「工場をゼロから立ち上げて、何もないところにパキスタンの人と協力しながらみんなのための工場をつくっていくのは、真っ白いキャンパスに自分たちの色を自分たちの計画に従って置いていくようで、とても充実していました」という答え。なるほどーと深く納得した一同でした。
帰る前にエントランスで記念撮影。子どもたちはバイクに乗せていただきました。忙しい中、私たちカラチ日本人学校のために時間を割いていただいたYMPKのみなさんに心から感謝いたします。分担しながら説明していただく段取りのよさの中に、みなさんのチームワークのよさが垣間見えるようでした。今回のカラチタイムもカラチならではの、大変充実した学習活動ができました。