2014年12月13日土曜日

研究発表会

カラチ日本人学校では、2学期に大きな行事がいくつかあり、
そのひとつが研究発表会です。
研究発表会では、カラチタイムの時間に
カラチについて個人的に研究したことを発表する会です。
この日に向けて、それぞれが熱心に研究を進めてきました。
2年生は、カラチのマサラについて研究しました。
マサラとは香辛料のことです。
パキスタンの料理には、いろいろな香辛料が使われていて、
みんないい香りがする辛い食べ物が大好き。
そこでマサラの秘密について研究することにしました。
4年生は、カラチに来る前からカラチのフルーツを食べることを楽しみしていました。
来てみて、そのおいしさにビックリ。
大好きなフルーツを使ったおいしいジュース作りの研究をしました。
5年生は、日本の学校に通っていたときに飲んだ日本の水と
カラチの水との違いに注目しました。
普段使っている水は、いったいどこから来ているのか調べることにしました。

当日がやってきました。
全員が初めての研究発表会です。

前日が治安の関係で臨時休校になってしまい、今日もできるかどうか分からない
という状況でしたが、たくさんの人たちが見に来てくださいました。
準備は万全とは言えませんでしたが、
初めの言葉も太鼓も、みんなで協力してがんばりました。


いよいよ特設テントで個人発表です。
まずトップバッターは2年生です。
マサラにはたくさんの種類があり、それぞれに特徴があることや
いろいろな国からきていることなどについて発表しました。

マサラを使ってカレーも作りました。
マサラは、自分でブレンドした本格的なカレーで、
とてもおいしいと、みんなにも好評でした。
マサラには、食べ物を辛くおいしくする秘密があることが
会場のみんなにもよく分かる発表でした。
発表の様子も堂々としていて、
とても9月に入学したばかりとは思えない立派な姿でした。

次は4年生です。
まず、カラチのフルーツやジュース事情について調べたことを発表しました。

カラチはフルーツが豊富に採れるので、フレッシュフルーツをその場でジュースにしてくれるフルーツジュース屋がいくつもあります。
特に4年生がこだわるフルーツのバナナは長期保存ができないので、
バナナミルクシェイクは、みんなフレッシュのものを好むことも分かりました。
ジュース屋さんに取材したり、試作したジュースを飲んでもらってアンケートをしたり
して、栄養満点でおいしいバナナミルクシェイクを完成させました。
人にはそれぞれ好みがあることや、みんなにおいしいと言ってもらうためには
いろいろな工夫をしなければならないことが分かりました。
大変実りの多い研究でした。

最後は5年生です。
私たちの生活には欠くことのできない水について調べました。

カラチの水事情は、どうして日本とちがうのか?
その理由について迫りたいと考えたからです。
まず水はどこからくるのか、蛇口から辿りました。
水はパイプを通ってタンクから来ていることは分かりましたが、その先は?
川からだと予想をし、浄水場へ調べに行きました。
浄水場へ行って、カラチの水はインダス川から来ていることや
いろいろな方法で水をきれいにしていることが分かりました。
身近な水ですが、みんなが知らないことも多く、
初めて分かったことがたくさんあったと言ってもらえました。

カラチタイムでは、今年綿花を育てました。
収穫した綿から糸を紡ぎ、小さいながらも布も作りました。
そこで、綿花についてもっとみんなにも知ってもらおうと
運営委員長に特別講演をお願いしました。

運営委員長は、綿花について見識が深く、また綿花を通じて長くパキスタンと日本をつなぐ仕事をされてきました。
講演では、パキスタンの綿花産業がもつ特徴や課題について詳しくお話しいただきました。
また、その課題を何とか克服して、パキスタンの綿花産業をもっと発展させたいという強い思いも伝わってきました。
お忙しい中、快く講演を引き受けてくださいまして、本当にありがとうございました。

休憩の時間には、2年生が研究したマサラを使ったカレーと
4年生が研修したバナナミルクシェイクを皆さんにも試食していただきました。
とってもおいしい!と大好評でした。

いろいろとバタバタしましたが、来てくださった方々から
「会場やその他から、手作りの温かい感じがするいい会でした。」との
感想をいただきました。
こうして支えてくださる方々があってこそ成り立つ活動なんだと
改めて感謝した会でもありました。
皆さん、本当にありがとうございました。