2014年10月14日火曜日

綿花を育てて糸を作ろう~綿繰り・綿打ち・糸紡ぎ編~

1学期に植えた綿花がすくすくと育ち、
いよいよ収穫の時を迎えました。
みんなで収穫です。
緑で硬いコットンボールが割れると、
中からは真っ白な綿が姿を現します。
スタッフも総出で収穫です。
聞いてみると、スタッフの中には、子どもの頃
ずっと綿花を摘む手伝いをしていたコットンマスターがいました。
さすがに摘むのが速いです。

思った以上の綿が収穫できました。
次は「綿繰り」です。
「綿繰り」とは、綿の中の種を取り除くことです。
1つの綿の中に、数個の種が入っています。
その種に繊維ががっちりくっついているので、
取り除くには結構な力が必要です。
長くやっていると、だんだん指先が痛くなってきます。

そこで便利なのが「綿繰り機」です。
「綿繰り機」とは、綿と種を上手に分離する機械のことです。
世界4位の綿花生産量を誇るパキスタンなら、きっとあるだろうと
いろいろと聞いてはみたものの、カラチで綿繰り機を見つけることはできません。
(みんな工場の大きな機械でやってしまうのだそうです)
すると、なんと!
校長先生が、自分で綿繰り機を作ってしまいました。

さすがです。
実演を見た子ども達から、感嘆の拍手が起こります。

「綿繰り」の次は、「綿打ち」です。
「綿打ち」とは、弓状のもので綿に振動を与えてふわふわにすることです。
綿打ちの道具は、担当教員の手作りです。
しかも材料は、KJSに生えている竹とテニスラケットのガット。
すばらしい!

ビヨンビョン・・といいながらガットをはじいていると、
だんだんと綿が、まるで綿菓子のようにふわふわになってきます。
とても不思議です。

その次が「糸紡ぎ」です。
綿の端をよって糸にし、これまた手作り「紡錘車」で糸を長くしていきます。
この作業が難しいことこの上なく、みんな悪戦苦闘!
「あっ、切れた!」「あ~!そんなに引っ張ったら(切れる)!」などの悲鳴が
あちこちで聞かれます。

またこの作業に入ってから、いかに「綿打ち」が大切かがよく分かりました。
綿がふわふわになっていないと、うまく綿が出てこないのです。
一生懸命やるのですが、毛糸のような太さで、しかも不均質・・・
『糸を作る』って、本当に難しいのですね。
普段何気なく使っている布製品に、
どれだけの知恵と労力が織り込まれているかがよく分かります。

いろいろと大変なこともありますが、
自分で作った糸には、何にも代えがたい愛着が生まれます。
次は、この糸を染色します。
どんな色に染め上がるのか、とても楽しみです。